あはっブログ

思考変換を得意とするプロコーチが「心理学」「脳科学」を用いて「目標達成」「マインドセット」に関するわかりやすい記事を書いています。今日から一歩踏み出すモチベーション向上に役立てて下さいね。

【マイナー映画レビュー④】 『私の中のあなた』 ※ネタバレ若干あり

おはこんばんにちわ!

「テレビを観るときは部屋を明るくして画面から離れてご視聴ください」の注意事項とは正反対の環境で映画を視聴する、みやびです( ・`д・´)

 

今回は映画レビュー第四弾!

 

皆さん、大切な人が大きな病を抱え、長く生きられないと知ったときに何を思うでしょうか。

そのまま受け入れ、余生を幸せに過ごしてもらう? 出来うる限りの治療を施して少しでも長く生きてほしい? きっと治ると信じ、その人を勇気づける?

きっと思いは様々だと思いますし、そこに正解はありません。

でも、病が治る可能性があるのならば誰もが一度はそれに縋ろうとするのではないでしょうか。それが邪道だと分かっていたとしても、治るのなら・・・。

 

 

例えば、適合ドナーとして遺伝子操作したを創ることであっても。

 

 

 

 

【作品紹介】

私の中のあなた (字幕版)
 

 アメリカ合衆国の作家、ジョディ・ピコーの小説およびそれを原作とした映画です。

2004年に出版され、日本では2006年に早川書房より出版されました。

2009年6月にアメリカ合衆国で映画化され、同年の10月に日本で公開となっています。

 

ちなみに原作と映画では結末が異なっており、「真逆」なのだそう。僕も原作はまだ読んでいませんがとても気になるところですね。映画を観た後なので「真逆」の意味は分かりますが、ここではあえて伏せておきます。

省かれた内容も多々あるらしいので、映画を気に入った方は是非原作の方も御一読してみてください。

 

 

【概要】

ケイトは二歳の頃に白血病を患う。ドナーが必要であったが両親はどちらも不適合で、別のドナーが見つかる保証も無い。医師からの「公にはできない提案」でデザイナーベイビーをつくることを決め、遺伝子操作した三人目の子供アナを授かった。

ドナー適合者として生まれたアナは、ケイトが輸血や骨髄移植を必要とする度に幼い頃から過酷な犠牲を強いられ、身体中に治療のための傷が増えていった。

アナが13歳を過ぎたころ、ついに片方の腎臓の提供を求められる。ところがアナはそれを拒み、凄腕弁護士のキャンベルの許へ駆けこんで両親を相手取り訴訟を起こす。

娘の突然の反抗に困惑する両親だったが、父親のブライアンがアナの気持ちに寄り添う中、母親のサラはケイトを生かしたい一心で真っ向から否定する。それでもアナの意見は変わらず、異例の裁判沙汰となった。

ケイトの弟でありアナの兄であるジェシーは、両親の関心が姉と妹ばかりに向いていることに寂しい思いを募らせていく。

次第にバラバラになる家族。その間にもケイトは衰弱していくのだった。

 

 

【注目ポイント】

バラバラになっていく五人の家族ですが、しかしそこには家族の絆が確かにあります。

娘を助けたい母親のサラはその気持ちが強いあまりに周りの意見を否定しがちになり、自分の意見ばかりを押し通すように。自分は間違っていない、ケイトを助ける為なら何だってするわ。それは一見身勝手なもののように見えますが、子を助けたくない親なんかいませんよね。サラの想いには確かな愛があるのです。

 

この家族はバラバラになりそうになるのですが、正反対に仲の良い場面も多々あります。食卓を囲むシーン、一緒にプリクラ(らしき機械)を撮るシーン、海へ遊びにいくシーン。誰もが思い描く理想的な家族像が多く映し出されます。切っても切れない関係性が見え、それこそ家族ならではの絆なのでしょうね。

ケイト、アナ、ジェシー、サラ、ブライアン一人一人の思いが紡ぎ合っていくのです。

 

この家族を支える周りの人々にも是非注目してほしいと思います。

ケイトの看病に忙しい両親に代わり家事を手伝ってくれる親戚のケリーおばさん。アナを弁護するキャンベル。判事のサルヴォ。

彼らがどうしてこの五人家族に関わろうと思ったのか。その真意も次第に浮き彫りになってきます。フォーカスを当ててみると、大きな意味が込められているのです。

 

 

【感想】

この作品は、「本当に大切なことは何なのか」を考えさせてくれる映画です。

主人公やヒロインが病気で死んでしまう作品は山ほどありますが、その中でもこの『私の中のあなた』は病気に闘うケイトよりも、その周りにフォーカスを当てた作品になっているのかな、と。

もちろんケイトの半生もしっかり語られますが、それは闘病生活ではなく如何に楽しく生きていたか、というもの。下手すればのんべんだらりと生きる健常者よりも、最高に幸せな人生を送っているように見えるケイトですが、その人生を築いてくれたのは他でもない、家族なのです。

この家族でなければケイトの人生は幸せではなかった。視聴した後に僕は自信をもってそう思えます。

 

これは家族の絆の物語である一方で、姉弟の絆の物語でもあります。両親では気付くことのできなかったが、姉弟間では伝わっていたのです。

このブログではここを深く掘り下げることはしません。それは皆さんがご自身で視聴し、是非感じ取っていただければな、と思います。

 

切っても切れない家族の絆。

 

その確かな愛を、感じて下さい。