【マイナー映画レビュー②】 『サマータイムマシン・ブルース』 ※ネタバレあり
おはこんばんにちわ!
好きな俳優はムロツヨシ。みやびです('ω')ノ
皆さんこの映画知ってます?
観たことある人、ない人いると思いますが、僕的にこの映画はもっと評価されて良いと思うんですよね。
しかし、いかんせんそれほどの知名度がないように思う!
こんなに腹抱えて笑える邦画、観なきゃ損なのに!!
【作品紹介】
この映画が上映されたのは2005年です。
劇作家である上田誠主宰の劇団、『ヨーロッパ企画』の第八回公演として2001年8月に初演されました。
演劇が原作の映画なんですね。
タイムトラベルを題材にしたSF青春コメディとなっています。
2018年8月~11月のヨーロッパ企画20周年ツアーでは、13年ぶりに『サマータイムマシン・ブルース』を再演し、『サマータイムマシン・ブルース』の15年後を描いた続編、『サマータイムマシン・ワンスモア』を初演しています。
と、劇場では割と最近まで公演される人気作なんですよ。
ちなみに原作と映画とではキャラ位置や設定など、大筋以外はオリジナル化されています。
【概要(映画)】
とある大学の『SF研究会』には、アホな五人の男達が集っていました。
彼らは真夏の昼間からグラウンドで3対3(一名は犬)の野球を楽しみ、部室のクーラーをきちんと消した後、汗を流しに銭湯へ向かいます。
銭湯では癖のある番台のおばちゃんから「ソーセージ」と言われては、「フランクフルトだぞ」という下ネタを言い返したり、部員一人の愛用シャンプー『ヴィダルサスーン』が紛失したりと落ち着きありません。
主人公の甲本(こうもと)は一足お先に銭湯を後にし、古びた映画館でこれまた癖のある店主から映画のチケット二枚を購入します。
SF研究会の部室の奥にはもう一つ部屋があり、そこは写真研究会(部員二名)の部室となっています。甲本は写真研究会の部員である柴田(しばた)に恋心を抱いており、そのチケットはデートのお誘い用の物でした。
しかし部室に戻ると、すでに帰っていたSF研究会の四名と、写真研究会の二名が揃って窓の外を眺めていました。甲本が声をかけると、今度は一同、驚き興奮したように甲本を見ます。
様子がおかしい一同に戸惑う甲本。
すると部員たちは、甲本が銭湯用に持参していた手元の桶に注目しだし、写真研究会の女子二名も興味津々。
「ほら、はやくしてくださいよ~」
と後輩部員はいじり、他の部員も今か今かとテーブルを囲んで甲本の行動を見守ります。
しかしピンと来ない甲本は、呆然とするばかり。
痺れを切らした後輩部員が、「ほら、こうやって~」と両手を股間の位置に持ってきては左右に大きく振りました。
その直後、後輩部員の手が後ろの部員にぶつかり、それによろけた部員がそのまた後ろの部員にぶつかり、と突然の人間ドミノ倒しが起こります。
そして最後は、部員の持っていたコーラがエアコンのリモコンへこぼれる結果に。
リモコンは故障し、エアコンは使えなくなってしまいました。
古いエアコンなので、物自体にスイッチもありません。部員たちは猛暑の室内で過ごさなければならなくなったのですが、汗は流れイライラは込み上がるばかり。一人はプロペラも回らない室外機の前に立ち、エアー扇風機を感じるほどにイカレだしました。
リモコンを直すべくSF研究会顧問(仮)のところへ持っていきますが、不器用な顧問は余計にリモコンを壊す始末。
ゴミ捨て場から使える扇風機を持ってこようと試みますが、これも上手くいきません。
奮闘する最中、無人の部室に突如光が放ちます。
そこに現れたのは人より大きなタイムマシンと、オカッパ頭の冴えない青年。彼はタイムマシンから降りると一人、部室の外へ出て行きます。
それからすぐに帰ってきたアホな部員たちは、タイムマシンを見て興奮します。
「まさか本物じゃあるまいし」
「SF研究会に、タイムマシン」
とシャレを言って悪ふざけ。勝手に乗り込み、昨日の日付を設定してレバーを下げました。
直後、タイムマシンは光り、乗り込んだ一名の後輩部員と共に消えてしまいました。
唖然とする他四名。
直ぐに戻ってきたタイムマシンから降りた後輩部員は、混乱し、驚愕します。恐怖に震えながらも、それが本物のタイムマシンであることを知ることになりました。
そうするとアホ共はよからぬことを企みます。
「そうだ、これに乗って昨日に行って、壊れていないクーラーのリモコンを持って来ればいいじゃないか!」
懸念する甲本をよそに、話を聞かない部員たちはさっそくタイムマシンで過去へ飛んでしまいました。
残された甲本と後輩部員のところへ、写真研究会の部員が現れ一枚の写真を見せます。
そこには、冒頭で野球を楽しむSF部員たちの躍動感のない姿と、その奥に、『もう一人の部員』の姿がありました。
おかしな写真に戸惑う一同。そこへオカッパ頭の冴えない青年が現れます。彼は「未来から来た」と自己紹介し、甲本たちを余計に混乱させました。
SF研究会の顧問(仮)もタイムマシンの存在を知るのですが、そんなもの偽物だと信じません。なぜなら彼は長年にわたりタイムマシンの研究を続け、しかし論理的に無理であることが証明されてから研究をやめてしまったのです。
顧問は、甲本と後輩部員、写真研究会の二人と未来人の五名に説明します。
「過去を変えたら、過去も現在も未来も消えてなくなる」
つまり、クーラーのリモコンを今日に持ってきてしまうと、過去改変が起こり世界が消失するというのです。
それを知った一同は、慌てて昨日へタイムトラベルした三人を連れ戻すことにしました。
ところが三バカトリオの勝手な行動のせいで、問題は膨れ上がってしまいます。
悪ふざけを繰り返す者。
紛失した『ヴィダルサスーン』を取り返す者。
せめてリモコンが壊れないようにとラップでグルグル巻きにする者。
過去へ飛び過ぎて湖の中にリモコンを落としてしまう者。
紆余曲折あってどうにかリモコンを元の位置へ戻し、現在へ戻ってきた一同。
しかしそこに甲本の姿がなく、昨日へおいてきてしまったことに気付きます。過去の自分に出会うことも過去改変に繋がり、大きな危機を招くのです。
どうしよう、と慌てふためいている最中、後ろから「ここにいるよ」と声がします。
振り向くとそこに甲本の姿があったのですが、はて、どうやって現在に戻ってきたのでしょうか。
その疑問に、甲本は「けっきょく戻れなかったんだ」と説明をするのでした。
兎にも角にも一件落着ですが、けっきょくエアコンは壊れっぱなし。
徒労に終わったと少しがっかりする一同ですが、グラウンドの隅で穴を掘る犬(野球チームの一匹)がいます。
犬が口にくわえてきたものは、なんとラップでぐるぐる巻きにされたクーラーのリモコンです。
使えるのか・・・電池を入れてスイッチを押すと、エアコンは見事、動き出しました。
【キャスト】
この映画のキャストがかなり豪華なんですよ。
まず主役の甲本を演じたのは、俳優の『瑛太』。
甲本が思いを寄せるヒロインには女優の『上野樹里』。
そして今や国民的俳優の『ムロツヨシ』。
ムロツヨシに至っては、この頃ガリガリで最初は誰だか分かりません(笑)
皆もかなーり若いですから、俳優を見ていても楽しめる作品になっています!
【まとめ】
概要にストーリーの全貌を書きましたが、ぶっちゃけこんなものネタバレの一部でしかません。
映画版『サマータイムマシン・ブルース』の見所はそのコメディ的な面白さに止まらず、映像にあります!
一言で言えば、「何度でも観たくなる映画」なのです。
実は冒頭から様々なトリックが使われていて、『明日』の人間が『今日』いたりします。
それを見つける楽しさがあって、まさにアハッ体験!
わっ、こんなところにいた! みたいな体験が出来ちゃうんですよ。
喜劇なので内容もまったく重たくなくて、SFが分からなくてもかなり簡単にまとめてくれています。むしろリモコン一つでここまで盛り上がるSF作品なんてそうそうありません!
その上、しっかりとタイムマシンのことを理解している作品でもあります。
こういうジャンルってけっこう矛盾点があったりして、半場力技でまとめているものも少なくないんですが(-_-;)
この作品は本当に完璧なんです!
まあ、ラップでぐるぐる巻きになったリモコンが土の中から出てきて、しかも使えたというのは何とも言えませんがね(笑)
でもB級映画にしては作り込まれています!
面白く、笑いたい映画を見たい時は是非観てみてくださいね!
隣人「あのよ、これ夏場に紹介した方が良かったんじゃねえか?」
まだ残暑あるから!
隣人「無理矢理だ・・・」